ラジオ出演

「相続税の申告のために必要な準備」について

レディオモモ「まかせて相続」(令和元年12月19日)」に出演しました。

ラジオ出演内容

レディオモモ

お話しをお伺いするのは、相続のことならなんでもおまかせ。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村(なかむら)要(かなめ)さんです。宜しくお願いします。
さて、今日はどんなお話しでしょうか。

仲村要

おはようございます。
今日は「相続税の申告のために必要な準備」についてお話しをしたいと思います。

レディオモモ

いざ相続が発生したら、どのような準備が必要なのでしょうか。

仲村要

まずは「相続人の確認」です。
被相続人と相続人の戸籍謄本を本籍地の市区町村役場から取り寄せて相続人を確認します。被相続人の戸籍謄本は出生からお亡くなりまでの連続した戸籍謄本が必要です。

仲村要

相続人は間違いなくお母さんと自分たち兄弟だけと分かっていても、登記手続きや金融機関などの手続きで相続人の確認書類はどうしても必要となります。

レディオモモ

公的な書類で相続人を確認することになるんですね。
相続人が確認できたら、次は何を準備するのでしょうか。

仲村要

次は「遺言書(いごんしょ)の確認」です。
ほとんどは遺言書を書かれたら財産を取得する相続人へ伝えていると思いますが、全く伝えていない場合もあります。

仲村要

被相続人が自分で書いたと思われる自筆証書遺言があったら、遺言書を開封する前に家庭裁判所で検認を受けないといけません。
公正証書遺言は公証役場に遺言書が保管されているため、最寄りの公証役場に必要書類を持って行って問い合わせれば遺言書の有無が分かります。

仲村要

それから、来年の7月10日からは法務局で自筆証書遺言の保管制度が始まります。将来、相続が発生したら法務局の保管所で確認が必要となってきます。

レディオモモ

遺言書の有無が確認できたら、次は何を準備するのでしょうか。

仲村要

次は「遺産と債務の確認」です。
遺産と債務を調べて、目録や一覧表を作ります。

レディオモモ

具体的にはどのように確認するのでしょうか。

仲村要

主な財産の確認方法としては、不動産は市区町村から送付される固定資産税の納税通知書で確認します。納税通知書が見当たらない場合は、市区町村の固定資産税の係りで名寄帳や評価証明書を取得して確認します。

仲村要

証券会社や銀行などの金融機関では、亡くなられた日現在の残高証明書をとって金融機関から送付された書類や預金通帳とチェックして漏れがないか確認します。通帳などが残っていなくても、気になる金融機関があれば残高の有無を確認しておくことも重要です。

仲村要

また、タンス預金などの現金も確認が必要です。
金額を数え、お葬式などに充てる場合は、出納帳をつくっておきましょう。申告にも必要ですが、他の相続人へ説明する資料にもなります。

仲村要

それから、相続後に支払った未払の債務や葬式費用も遺産額から差し引けますので、領収書を残しておきましょう。

レディオモモ

亡くなった方といっしょに住んでいなくて、どこに財産があるのか全く分からない場合もありますよね。

仲村要

はい、そうですね。
先ずは、亡くなった方の居所にある書類、郵便物、手帳などから探していくしかないでしょう。そうすれば、ある程度は探すことができると思います。

仲村要

それでも分からなければ、司法書士や弁護士へ相談する必要があるでしょうね。マイナスの財産が多い時は、相続放棄の手続きも考えないといけません。

レディオモモ

遺産と債務の確認ができたら、次は何を準備するのでしょうか。

仲村要

遺産と債務の確認ができたら、相続税がかかる財産かどうか債務や葬式費用として控除できるかどうかを精査し、遺産の「評価」をします。

レディオモモ

評価方法は複雑なのでしょうか。

仲村要

具体的には、相続税法と財産評価基本通達に定められている方法で評価します。土地でしたら、財産評価基準書にある路線価や倍率により評価するという感じです。

仲村要

亡くなった方によっては、上場株、公社債、保険会社の個人年金、ゴルフ会員権など多種多様な財産を持っておられます。財産の種類が多ければ評価するのも大変です。

レディオモモ

評価ができると次は何を準備するのでしょうか。

仲村要

次は「遺産の分割」です。
遺言書がある場合には、先ずは遺言書によりますが、遺言書がない場合には、相続人全員で遺産の分割について協議を行います。成立した場合には、遺産分割協議書を作成することをおすすめします。

仲村要

相続人のなかに未成年者がいる場合には、その未成年者について家庭裁判所で特別代理人の選任を受けなければならない場合があります。この場合、特別代理人が、その未成年者に代わって遺産分割協議を行うことになります。

レディオモモ

遺産の分割まで終われば、あとは申告書の作成でしょうか。

仲村要

はい、そうですね。
ここまで準備できれば、あとは相続税申告書を作成して「申告と納税」です。申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内です。

仲村要

最後になりますが、期限までに遺産の分割が終わっていない場合でも、期限内に申告と納税が必要です。特殊な財産があると、確認する書類や評価方法が複雑となります。悩まれたら、早めに専門家への相談をお勧めします。

レディオモモ

今日は、税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村(なかむら)要(かなめ)さんにお越しいただきました。ありがとうございました。

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