レディオモモ「まかせて相続」(令和3年1月21日)」に出演しました。
ラジオ出演内容
お話しをお伺いするのは、相続のことならなんでもおまかせ。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村(なかむら)要(かなめ)さんです。宜しくお願いします。
さて、今日はどんなお話しでしょうか。
おはようございます。
そろそろ確定申告シーズンということで、贈与税のなかから、贈与を受けたとみなされる「みなし贈与」について、お話ししたいと思います。
「みなし贈与」は「贈与」と比べて、何が違うのでしょうか。
先ずは、そもそもの「贈与」について考えてみます。
贈与という行為は、私法(しほう)である民法に定められています。その条文、民法第549条を読みますと、贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾(じゅだく)をすることによって、その効力を生ずる。とあります。
例えば、子供が車を購入する際に、父親が子供に現金100万円をあげようと言い、子供はラッキーと思って、お父さんありがとうと言って、現金100万円をもらう場合です。これは皆さんが思う贈与と合致すると思います。
では「みなし贈与」とは、どのような贈与を言うのでしようか。
「みなし贈与」とは、財産をあげる側・財産をもらう側双方、贈与の意図がなく、そもそもの「贈与」でお話しした、民法上の原因により取得した財産ではないんですが、税務上、贈与により財産を取得したとみなす規定があるものを「みなし贈与」と呼んでいます。
どうして税務上「みなし贈与」の規定があるのでしょうか。
後で「みなし贈与」の種類をお話ししますが、財産をもらったとみなされる側は、もしかしたらこれは何か課税されるのかな? と、思うことが多少はあると思います。
税務上「みなし贈与」の規定があるのは、財産をもらったとみなされる側に、実質的になんらかの経済的な効果があるので、税負担の公平を図るために贈与とみなして、贈与税を課税するためです。
では「みなし贈与」の種類について教えてください。
先ずは、自分が保険料を払っていない保険金を受け取った場合です。このケースでは、贈与税と相続税が課税される場合があります。「みなし贈与」は贈与税が課税される場合なので、保険料を払った方が自分ではない誰か「ご存命の方」の場合です。
次は、自分が掛金や保険料を払っていない、定期給付契約の給付事由が発生した場合の、定期金の受給権です。定期的に受け取る個人年金などがこれにあたります。
次は、著しく低い価額で財産を譲り受けたことによる利益です。よくある設例では、私が叔母さんから時価1000万円の土地を400万円で購入した場合です。この場合、1000万円と400万円の差額600万円が、著しく低い価額で購入した利益となるので、私は600万円贈与を受けたとみなされます。
「著しく低い」とは、どの程度なのでしょうか。
少額な差額は許容範囲となりますが、著しく低い割合・金額については明確な定めはありません。ただ、過去の判例では、時価の8割相当である、相続税評価額を上回れば著しく低い価額ではないとされた事例があります。
しかし、売買に至る経緯も重要です。売買された事情、売買価格の算定根拠、その財産の市場価額、その財産の相続税評価額などを総合勘案して、社会通念に従い判断すべき、との説明もあります。お買い得感がある取引は、避けたほうが良いでしょう。
なるほど、判断が難しいところですね。
はい。次は、債務の免除、債務の肩代わりにより債務を引受けてもらったことによる利益です。借金が500万円あった場合、免除・引受けなどにより、借金がゼロになったら、その差額500万円が贈与を受けたとみなされます。
最後は、今日お話しした以外の理由で、何か経済的な利益を受けた場合も贈与とみなされます。結局、この条文で、色々なケースをカバーしていることになります。よくあるケースとしては、同族会社の株式・出資の価額が増加した場合の利益です。お話しすると長くなるので今日は割愛させていただきます。
これ以外に、贈与とみなされるものはないんでしょうか。
今日は、相続税法第5条から9条までの代表的な「みなし贈与」を紹介しました。ですが、これ以外でも、
・委託者以外の方を受益者とする信託が行われた場合の信託受益権
・教育資金、結婚子育て資金で、契約終了時の残額
などがあります。
ご自身で判断に迷う際は、早めに、税理士などの専門家にご相談されることをお勧めします。
最後にお知らせがあります。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスは、毎月、曜日を変えて5日程度、相続税・贈与税の無料相談会を開催しています。
今月は、26日火曜日だけとなっております。来月の2月は、3日水曜日、9日火曜日、15日月曜日、20日土曜日、26日金曜日です。お1人様、1時間、1回限りで、予約制となっております。相談を希望される方は、ホームページから または お電話でお申込みください。
電話番号は、フリーダイヤルで、0120-16-3210です。
お悩みがある方は、是非ご利用ください。
今日は、税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの 仲村(なかむら)要(かなめ) さんにお越しいただきました。ありがとうございました。