レディオモモ「まかせて相続」(令和4年1月20日)」に出演しました。
ラジオ出演内容
お話しをお伺いするのは、相続のことならなんでもおまかせ。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村要(なかむらかなめ)さんです。
宜しくお願いします。
さて、今日はどんなお話しでしょうか。
おはようございます。
相続が開始されると、亡くなった方が有していた一切の権利義務が相続人に承継されることになります。
相続財産が不動産や預金だけなら良いですが、借金などのマイナスの財産がある場合もあります。
うちは借金が多かったから放棄したよ、という話しを聞いた方もいらっしゃると思います。
今日は「相続が開始した場合の選択」についてお話ししたいと思います。
選択ですから何種類かある方法の中から”選択”するんですよね。何種類の中から選択するようになるのでしょうか
そもそも相続財産を相続するのかそれとも相続しないのか。
法はこの選択権を相続人に与えています。
相続するという意思表示のことを「相続の承認」と言い、この相続の承認には「単純承認」と「限定承認」があります。
対して相続しないという意思表示のことを「相続放棄」と言います。
なので相続が発生すると相続人は相続する方法2種類相続しない方法1種類の合わせて3種類の中から1つを選択することになります。
それではこの3種類の方法について説明したいと思います。
それでは単純承認についてお願いします。
「単純承認」とは相続人が亡くなった方のプラスの財産やマイナスの財産の全てを受け継ぐ方法です。特に何か手続きが必要という訳ではありません。
亡くなった方の財産のうちプラスの財産の方が多ければほとんどの方が選択するとか考えないでこの「単純承認」を選択してしまっていると思います。
ちなみに残りの2種類の方法は、相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に家庭裁判所へ申述の手続きが必要です。
では相続する選択の残りの1つ「限定承認」についてお願いします。
「限定承認」とは相続人が相続によって得た財産の限度で亡くなった方の債務を受け継ぐ方法です。
プラスの財産の範囲でマイナスの財産を受け継ぐということですね。
「限定承認」はどのような状態の時に選択されるのでしょうか。
マイナスの財産の方が多いのであれば相続したくない。
でも、マイナスの財産がどれくらいあるのか分からない時遺産整理した結果プラスの財産が多くなるのであれば相続したい。
こんな時に「限定承認」がよく選択されています。
それならみんな「限定承認」を選択しそうですが何かデメリットがあるのでしょうか。
家庭裁判所への申述は相続人全員の同意が必要です。相続人間でもめていて協力を得られない場合、それから他の相続人と連絡が取れない場合は選択できないことになります。
次に限定承認は手続きが複雑です。マイナスの財産を返済するために公告や競売など多くの法的な手続きをとる必要があります。最後に亡くなった方に所得税がかかる場合があります。
限定承認を選択した場合亡くなった方が相続人に財産を時価で売却したものとみなされます。財産の中に不動産や有価証券があり含み益があれば譲渡所得が発生し所得税が課されます。
なるほどメリットもあればデメリットもあるんですね。
では最後「相続放棄」をお願いします。
相続放棄は限定承認と違い複数人相続人がいても相続放棄を希望する相続人1人で選択できます。
選択されるケースは、明らかにマイナス財産の方が多い場合それから相続人間でトラブルなどがあり相続に関わりたくない場合に相続放棄が選択されます。
借金、トラブルがなくても自分は財産を取得しなくても良いと他の相続人に意思表示する場合にも選択されることがあります。
「相続放棄」で注意する点はありますか。
相続放棄を選択すると亡くなった方の相続人でなくなります。
第一順位の子供全員が相続放棄すると、第二順位の父母が相続人となり、父母がそれぞれ亡くなっていたら、第三順位の兄弟姉妹が相続人となる場合があります。
それから、相続放棄は相続発生前に前もって行うことはできません。
また一度相続放棄が認められると撤回することはできません。
相続人が亡くなった方の財産を使ったり隠し持ったりすると、単純承認を選択したとして相続放棄が認められない場合もあります。
一度話を聞いただけでは分かりにくいと思いますので、相続の承認や相続の放棄で悩まれたら先ずは専門家と相談することをおすすめします。
今日は税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村要(なかむらかなめ)さんにお越しいただきました。ありがとうございました。