レディオモモ「まかせて相続」(令和4年2月17日)」に出演しました。
ラジオ出演内容
お話しをお伺いするのは相続のことならなんでもおまかせ。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村要(なかむらかなめ)さんです。
宜しくお願いします。
さて今日はどんなお話しでしょうか。
おはようございます。
相続税の相談で、遺言書があったらもっとスムースに相続手続きができるのにと思う場面がよくあります。
ご家族の構成や関係性はさまざまなので皆さん全員に遺言書があった方が良いとは思いませんが、今日は「遺言書があった場合、なかった場合の進め方の違い」についてお話ししたいと思います。
そもそも、遺言書があった場合となかった場合相続手続きの進め方はどのようになるのでしょうか。
相続が発生した場合遺言書があれば、相続人は遺言書に従うことになります。
相続人間で遺産分割の話し合いをする必要がありません。
なので相続が発生すると遺言書があるのかないのか確認が必要です。
遺言書の確認がとても重要ということですね。
それでは、遺言書がない場合はどうするのでしょうか。
遺言書がない場合遺産分割という相続人全員の話し合いでどの相続人がどの財産を取得するのか決めることになります。
ただ相続人全員というところが重要です。
先月お話しした相続の承認・放棄は考えないで相続する前提ですすめます。
遺産分割では相続人全員で話し合いかつ全員が合意しないといけません。
仲の悪い相続人がいる今まで一度も会ったことがない相続人がいる全員欲しい財産と欲しくない財産が同じ。
このような場合遺産分割がなかなか決まらないことになります。
ちなみに遺言書があっても一部の財産しか記載されていない場合はどうなるのですか。
遺言書に記載がない財産については、遺言書がなかった場合と同じで相続人全員の話し合いで決めることになります。
それでは遺言書がなくて遺産分割協議が進まない場合はどうするのですか。
相続人間での話し合いが進まない場合は家庭裁判所に遺産分割調停事件として申し立てをすることができます。
調停委員は相続人の意向を聞いて、解決案など助言を行い、相続人間の合意を目指して話し合いが進められます。
調停でも話し合いがまとまらないことがありますよね。
その場合はどうなるのですか。
調停が不成立となったら自動的に遺産分割審判に移行します。そうすると裁判官が一切の事情を考慮して遺産分割内容を決めることになります。
これを審判と言うのですが、審判内容が不服であれば即時抗告が可能です。即時抗告しなければ審判が確定となります。
要は調停は「話し合い」で審判は「強制決定」です。
仮に審判まで移行した場合相続発生から審判までどれくらいの日数がかかるのでしょうか。
一概には言えませんが、最初の話し合い調停審判に各1年ずつかかったとしても合計3年かかります。
当然費用もかかります。
相続税がかかれば10ヵ月の期限内に仮に法定相続分で取得した計算で相続税の申告と納税が必要です。
亡くなった方の預貯金は使えないので分割が確定するまで自己の預貯金から費用や相続税を支払うことになります。
なるほど。
そうなると遺言書があったらスムースに相続手続きができるのにと思いますね。
そうなんです。
ただ遺言書を作成するといっても大変です。
遺言書を作成する方の財産の整理・把握、相続人以外の方も含め誰に財産を引き継いだらよいのか考えないといけません。
予備的遺言といって遺言で財産を取得する予定の方が遺言書を書いた方より先に亡くなったらどうするかということも考える必要があります。
それから遺言で特定の人のみが財産を取得すると財産を取得できなかった相続人から遺留分侵害額の請求があるかもしれません。
遺言書を書かれる方の健康状態も重要です。重い認知症となれば遺言書の作成ができなくなります。
遺言書の作成を考えておられる方は、遺言書の作成手続きができるうち、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
今日は税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村要(なかむらかなめ)さんにお越しいただきました。ありがとうございました。