相続の知識

令和8年度税制改正大綱~不動産相続税評価の大転換①

「5年ルール」で節税スキームに終止符

令和8年度税制改正により、不動産の相続税評価ルールが変更され、「タワマン節税」といった手法が使えなくなります。
今回は、その改正内容と実務への影響、対応策について説明します。

なぜ今、評価ルールが変わるのか 改正の背景と経緯

これまで相続税における不動産の評価は、「財産評価基本通達」に基づいて行われてきました。具体的には、土地は路線価(時価の約80%)、建物は固定資産税評価額(時価の約60~70%)で評価されます。
また、賃貸物件の場合、「貸家建付地」や「貸家」としての評価減も適用されるため、最終的な相続税評価額は実際の市場価格の3~4割程度になることも珍しくありませんでした。
この相続税評価額と時価の乖離を利用し、相続直前に多額の借入金で賃貸不動産を購入することによって、相続税を大幅に圧縮するスキームが広まっていました。特に、都心のタワーマンションや一棟アパート、不動産小口化商品を使った節税策が活発に行われていました。 令和4年4月、相続税法の総則6項(租税回避行為の否認規定)の適用を認めた最高裁判決が出されました。これは極端な節税スキームに対する警鐘でした。しかし、個別案件では納税者の予見可能性が低く、公平な課税が困難だと言われていました。そこで、今回の税制改正では、個別否認ではなく評価方法そのものを見直し、明確なルール化が図られたのです。

関連記事

LINE 友だち追加
LINE

最近の記事

  1. 令和8年度税制改正大綱~不動産相続税評価の大転換①

  2. 令和8年春号 №66

  3. 相続Q&A

月間アーカイブ