レディオモモ「まかせて相続」(令和元年6月20日)」に出演しました。
ラジオ出演内容
お話しをお伺いするのは、相続のことならなんでもおまかせ。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村(なかむら)要(かなめ)さんです。宜しくお願いします。
さて、今日はどんなお話しでしょうか。
おはようございます。
今日は、相続税を計算する際、遺産総額から控除できる「債務、葬式費用」についてお話ししたいと思います。
債務は亡くなった方の借入金などですからマイナスの財産ということでわかりやすいですが、葬式費用も控除することができるんですね。
はい。
葬式費用は亡くなった方の債務ではありませんが、相続税を計算するときは遺産総額から控除することができます。
よく墓石を購入すると節税になると聞きますが、墓石などの購入代金は葬式費用に含まれるのでしょうか。
墓石や墓地、お仏壇などの購入費用は葬式費用に含まれません。
亡くなった方が生前中に購入していれば、非課税財産となるため、課税対象となりませんが、相続後に購入したものは控除ができないんです。
さらに付け加えると、亡くなった方が生前中に購入していたとしても、その代金の支払いが未払いだった場合、その未払代金を債務として控除することもできません。
例えば、墓石の購入代金を100万円として、遺産額に与える影響を比較しますと、生前中購入して支払いも済んでいた場合、墓石は非課税、100万円預金が減少します。
全額未払いだった場合は、墓石は非課税、預金の減少はなし、未払い代金は控除できません。
相続後に相続人が取得した場合は、亡くなった方の財産債務に影響をあたえません。
なので、相続税で節税となるのは、100万円預金が減少する、生前中購入して支払いも済んでいた場合、となります。
墓石の購入代金が未払いだった場合は、債務として控除できないんですね。
控除できる債務は、どのようなものがあるのでしょうか。
控除できる債務は、亡くなった方の債務で、相続開始の時に存在し、支払うことが確実なものに限られています。
まずは、借入金です。
ただし、金融機関での借入で、団体信用生命保険で補てんされる住宅ローンは、相続人への負担がないので除かれます。
ほかにも
・未払いの固定資産税などの税金
・未払いの医療費や、亡くなった方が使用している間の公共料金など
・賃貸物件の入居者から預かっている返還しなければならない敷金
・亡くなった方が、合名会社の無限責任社員である場合には、持分に応ずる債務超過分
などがあります。
それでは、控除できない債務には、どのようなものがあるのでしょうか。
控除できない債務として、よく紹介されるものは、先ほどお話しした
・墓石購入の未払い代金
・団体信用生命保険で補てんされる住宅ローン
・保証債務
・消滅時効の完成している債務
などがあります。
それから、亡くなった後に発生する
・相続財産の名義変更費用
・相続税申告にかかる税理士報酬
・遺産分割交渉などに係る弁護士報酬
・戸籍謄本などを取得するための諸費用
なども控除できません。
亡くなった後に発生する費用として、香典返しや法事の費用がありますが、こんな費用はどのような扱いになるのでしょうか。
はい、香典返しや法事の費用は、葬式費用で整理したいと思います。
結論としては、香典返しの費用、初七日や法事の費用は葬式費用として控除できません。
そのほか、先ほどお話ししました、墓石などの購入費用、それから墓地を借りるためにかかった費用も葬式費用として控除できません。
それでは、葬式費用として控除できるものはどのようなものがあるのでしょうか。
一般的には、
・通夜や告別式にかかった費用
・火葬、埋葬、納骨をするためにかかった費用
・お寺、神社、教会などへ支払ったお布施、読経料(どくきょうりょう)、戒名料
・お葬式当日の飲食などの費用で、通常葬式に伴うと認められるもの
などが、葬式費用として控除できるものとなります。
債務や葬式費用の控除は、専門知識がないと間違って控除してしまうかもしれませんね。
はい、そうなんです。
それから、家庭裁判所で相続放棄の手続きをした方、日本国内に住所を有しない方、遺言で指定された遺産を受け取る特定受遺者の方は、債務や葬式費用の控除ができない場合がありますので、悩まれたら、早めに専門家への相談をお勧めします。
今日は、税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの 仲村(なかむら)要(かなめ) さんにお越しいただきました。ありがとうございました。