レディオモモ「まかせて相続」(令和元年8月15日)」に出演しました。
ラジオ出演内容
お話しをお伺いするのは、相続のことならなんでもおまかせ。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村(なかむら)要(かなめ)さんです。宜しくお願いします。
さて、今日はどんなお話しでしょうか。
おはようございます。
今日は、お客さまからよくあるご相談で「土地や家屋の相続登記はしたほうがいいですか?」というご質問があります。
ということで「相続登記」にまつわるお話しをしたいと思います。
それではズバリ、相続登記はしたほうがいいのでしょうか?
相続登記は現時点では義務ではありませんが、相続人全員の話し合いが済んでおり、誰が相続するか決まっているのであれば、早めの登記をおすすめします。
例えば、相続の直後、長男が全て相続すると決まっていたとして、遺産分割協議書を作成しておらず、相続登記をしていなかったとします。
何年か経ち、売却するために相続登記をしようと思い、他の相続人に連絡をとったら、「やっぱり法定相続分くらいはほしい。」と言われると、対抗できなくて、売却代金を分配することになったり、財産を取得するかわりにお金を支払うことになるケースがあります。
どうしてそういうことになってしまうのでしょうか。
それは登記をしていないからです。
不動産の相続登記を行う場合、被相続人と相続人全員の戸籍関係の書類、相続人全員の実印、印鑑証明が必要です。
先ほどの例で言うと、長男が全て相続すると話し合いが済んでいたとしても、時間がたつと、他の相続人の考え方が変わることがあります。
そうなると、必要書類をそろえてもらうために、また最初から遺産分割の話し合いをしないといけなくなります。
仮に、相続登記しない場合でも、遺産分割協議書の作成、全員の印鑑証明などの必要書類一式をもらっておいたほうがよいでしょうね。
なるほど。
なので、話し合いが済んでいれば、早めに登記したほうがいいと言うことですね。
はい。
これ以外では、相続登記を放置し、名義が先代や先々代のままになっていることもよく相談を受けます。
相続登記を放置していた場合はどのような問題が起こってくるでしょうか。
将来、お子さんやお孫さんが苦労する問題が発生します。
例えば、何人かの兄弟で長男が相続すると決まったけど、登記をしていなかったとします。
兄弟が亡くなると、そのお子さんが相続権を引き継ぎます。
そのお子さんが亡くなると次はお孫さんへ、そうすると相続人が何十人となることもあります。
「いとこ」だったら会ったことがあるかもしれませんが、「はとこ」とは会ったことすらない可能性が強いでしょう。
会ったこともない相続人から、同意をもらうのは大変なことです。
円滑に遺産分割の話しが進めばよいのですが、権利を主張されたりすると、分割協議ができなくて、家庭裁判所で調停や審判による分割になるかもしれません。
相続人全員の同意と、全員の実印、印鑑証明をそろえるのが大変ということですね。
はい、そうなんです。
遺言がない場合、相続登記をするためには遺産分割協議書が必要です。
遺産分割協議書とは、亡くなった方の財産を相続人全員でどのように分けるか話し合い、とりまとめた文書のことで、相続人全員で署名、実印を押印して完成です。
この、全員の署名と実印の押印、それから相続登記をするためには、その実印の印鑑証明が必要なので、相続人全員と連絡をとってそろえるのが大変なんです。
なので、相続登記されなくてそのままとなっていることがあるんですね。
はい。
そのままにしているとさらに相続人が増えるばかりですが、相続登記をしたくても、連絡がとれない、連絡がとれても応じてくれないなどの理由で、そのままになっているケースが多いようですね。
相続登記が義務化になると聞きました。何かかわりそうですか。
はい。
所有者不明の土地が、東日本大震災後、復興事業で用地買収の妨げとなり、社会的な関心を集めました。
また、適切な管理がされない空き家が増加している問題もあります。
それらを受け、民法と不動産登記法の改正案が、2020年の臨時国会に提出される予定です。
相続登記の義務化、土地所有権の放棄を認める制度、遺産分割協議の期間制限、土地ごとに相続財産管理人が選任可能、などがポイントのようです。
そうすると、相続登記も忘れなくてすみますね。
はい。
登記しない場合、罰則が設けられるようなので、そのまま放置しないようにしないといけませんね。
土地の相続登記をしないことは土地の利用を大きく妨げます。
相続登記は義務化される見通しですが、土地や建物を相続したときは義務化の前であっても、早めの登記をおすすめします。
今日は、税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの 仲村(なかむら)要(かなめ) さんにお越しいただきました。ありがとうございました。