レディオモモ「まかせて相続(平成30年10月18日)」に出演しました。
ラジオ出演内容
お話しをお伺いするのは、相続のことならなんでもおまかせ。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山支店の 仲村(なかむら)要(かなめ) さんです。宜しくお願いします。
さて、今日はどんなお話しでしょうか。
おはようございます。
今日は、初歩的な知識としての 相続税と贈与税の違いを、金額など適宜設定して、どれくらいの税額となるのか紹介しながら、お話ししたいと思います。
よく心得ている方々もいらっしゃると思いますが、入門編としてお聞きください
相続税と贈与税はどんな違いがあるのでしょうか。
相続税は、誰かが亡くなった時に発生します。
亡くなった方を被(ひ)相続人(そうぞくにん)と言うのですが、被相続人の遺産が一定額を超えると、相続又は遺贈などで取得するときに、課される税金です。
贈与税は、お互い生前中です。
例えば、30歳くらいの長男が、お父さんから、現金6000万円をもらったとき、現金をもらった長男に、これも一定額を超えると、課される税金のことです。
6000万円をもらった時、贈与税額はどれくらいになるのでしょうか。
贈与税は、暦年(れきねん)課税、相続時精算課税、その他いろんな非課税制度の特例があるのですが、今回は基本的な、暦年課税で計算します。
暦年は、「こよみのとし」と書き、文字どおり1月1日からはじまる1年のことです。そして、その1年間に贈与を受けた財産の合計 が対象になります。
税金がかからない金額は 110万円で、これを基礎控除額と言います。
もらった金額から基礎控除額を引いた、5890万円が課税対象となり、贈与税額を計算すると 約2600万円となります。
贈与税は高いと、よく耳にしますが、その理由は何でしょうか。
はい、税率が、累進課税のためです。
分かりにくいかもしれませんが、累進課税とは、最初は10%からはじまり、課税対象が一定額以上となるごとに、その超える部分に対して、15%、20%、30%、そして最高税率は55%と、より高い税率が適用されることになるからです。
今回はその最高税率までの金額となっています。
相続税はどのようにして計算するのでしょうか。
相続税は、相続人の数、相続人の続き柄、誰がどの財産を取得するかによって税額がかわりますので、少し条件設定します。
遺産額は、先ほど贈与税でお話しした現金6000万円だけ、として、相続関係は、被相続人は平成30年に亡くなった方、相続人は被相続人の配偶者と長男、長女の3人とし、この6000万円を、長男1人が取得した場合とします。
相続税を計算する場合、贈与税の時と違っていろいろと前提条件が必要ですね。
では、この場合、気になる相続税額はどれくらいになるのでしょうか。
相続税も贈与税のように税金がかからない金額があります。贈与税と同じで、基礎控除額と言います。
相続税では、この基礎控除額の計算が必要となります。
計算式は、3000万円+(たす)600万円×(かける)法定相続人の数で、今回のケースでは、法定相続人が3人ですから、基礎控除額は4800万円です。
先ほどの、贈与税では課税対象が5890万円で 税額が2600万円でしたが、相続税では、課税対象が1200万円となり、相続税額は120万円となります。
相続税も贈与と同じ累進課税で、税率も10%から55%と同じですが、相続税では、累進税率を適用する価格の幅が、かなり大きくなります。
また、課税対象を相続人の法定相続分に対応する取得金額に案分して、税率を適用するなど、計算方法が贈与税と異なります。
相続税は贈与税と比べて、かなり税額が低くなりましたね。
そもそも、仕組みが異なることや、基礎控除の金額、累進税率の対象金額に大きく差があるため、計算される税額に大きく差がでる、と言うことですね。
はい、そうですね。
そもそも、仕組みが違うのですが、贈与税の方が相続税よりも税負担が重くなるように設定されている、と言えると思います。
今回は、相続と贈与の金額設定を同じ6000万円としましたが、実務においては、相続の遺産の中には、不動産、有価証券、預貯金などの財産が別にあります。
また、ご家族の状況や事情などにより、税負担が重くても、贈与を検討することもあると思います。
今日お話しできませんでしたが、贈与税は非課税制度がいろいろとあります。税金がかからなくても、期限内申告が必要となることが多いですから、悩まれたら、早めに専門家への相談をお勧めします。
今日は、税理士法人タカハシパートナーズ岡山支店の 仲村(なかむら)要(かなめ) さんにお越しいただきました。ありがとうございました。