レディオモモ「まかせて相続」(令和2年6月18日)」に出演しました。
ラジオ出演内容
お話しをお伺いするのは、相続のことならなんでもおまかせ。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村(なかむら)要(かなめ)さんです。宜しくお願いします。
さて、今日はどんなお話しでしょうか。
おはようございます。皆さん、不動産を購入したら相続税の節税対策になる、とよく聞かれると思います。その仕組みが分かる方もいらっしゃると思いますが、今日は、相続税対策と不動産投資についてお話ししたいと思います。
不動産を購入したら、どうして節税対策になるのでしょうか。
その仕組みはいたってシンプルで、相続税の計算では、相続財産の評価方法が財産の種類ごとに決まっています。その定められた評価方法で不動産を評価すると、購入した価格より安くなるからです。1億円で不動産を購入すると、その不動産が6000万円で評価される、という具合です。
預金で1億円を持っていたら、当然、評価は1億円ですが、不動産を購入すると、評価が4000万円安い6000万円となります。この4000万円安くなる価格差が相続税の節税効果です。
具体的にはどのような評価方法となるのでしょうか。
まず土地からお話ししますと、相続税を計算する際、土地は国税局が公表している路線価などで評価します。路線価は、売買する価格の約80%の評価と決まっています。1億円で売買できる土地だと、8000万円の評価となります。ここで2000万円評価が下がります。
それから、その土地の上に貸家を建てて入居者がいる状態だと、地域によって割合が変わってきますが、約15%評価が下がります。そうすると、8000万円の土地が6800万円の評価となり、1億円と比べると、3200万円評価が下がったことになります。
それでは建物だとどのような評価方法となるのでしょうか。
建物は固定資産税評価で評価することになっています。新築の建物の固定資産税評価は、構造により変わってきますが、工事請負金額の5割から6割となります。1億円で建築した建物を6割で計算すると、固定資産税評価は6000万円です。ここで、4000万円評価が下がります。
それから、その建物が貸家で入居者がいる状態だと、3割評価が下がります。そうすると、6000万円の建物が4200万円の評価となり、1億円と比べると、5800万円評価が下がったことになります。
土地建物あわせるとどれくらい評価が下がったことになるのでしょうか。
土地建物を2億円で取得した場合、土地建物の相続税評価は1億4000万円ですから、6000万円評価が下がったことになります。それから、建物は貸家として入居者がいる状態だと、土地建物の相続税評価は1億1000万円ですから、2億円と比べると9000万円評価が下がったことになります。
不動産投資はすごい節税効果があるんですね。
不動産投資といっても、住宅、オフィス、商業施設、物流施設、ホテルなど色々とあります。最もポピュラーなのが、貸家のように人が居住する建物ではないでしょうか。ただ、高額な不動産投資は、借入金で資金を調達するのがほとんどです。相続税の節税ができたとしても、入居者が入らず空室ばかりとなり、計画どおり利益がでなければ本末転倒です。あくまでも不動産投資の過程で、タイミング良く節税対策も行うのであって、相続税対策だけが目的とならないよう、注意しないといけません。
節税対策もよく検討してから、ということですね。
そうですね。不動産を取得するとしたら、どこの場所にするかがとても重要です。借りての需要が高い地域を探す必要があります。建物の用途が、住宅、オフィス、商業施設などによってターゲットが違ってきますし、人気がある地域もかわりますからね。
それから、将来相続が発生した場合、相続人が複数いるのに、財産は不動産だけとか、預貯金などのすぐ動かせる財産が少なかったりすると、遺産分割や相続税の納税に困ります。財産形成はバランスが大切ということです。
今日は相続税のお話しをしましたが、賃貸物件を取得すると、不動産所得が発生しますので、所得税や住民税の効果も考えないといけません。なので、不動産投資と相続税対策をお考えの方は、税務、不動産取引、建物建築など、それぞれの分野の専門家と相談されることをお勧めします。
今日は、税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村(なかむら)要(かなめ)さんにお越しいただきました。ありがとうございました。