海外移住戦略
相続税の負担が重い日本では、相続に悩む企業経営者が少なくありません。近年は、海外移住を通じて節税を考える動きも出ています。では、企業経営者にとって現実的な移住先はどこなのでしょうか。
シンガポールは超富裕層経営者向け
シンガポールは、相続税、贈与税、譲渡所得税がない国です。法人税率も比較的低く、金融インフラも世界トップクラスです。
資産管理会社やファミリーオフィスを設立し、グローバルに資産を運用したい経営者にとっては、非常に魅力的な国です。
特に大きなメリットは、資産承継と資産運用の自由度です。日本では、相続税だけでなく、資産運用に係る所得税負担も重くなりがちです。一方、シンガポールでは譲渡所得税がないため、保有資産の組み替えや投資戦略を立てやすくなります。
ただし、シンガポール移住のハードルは高いです。一般的な退職者向けビザはなく、富裕層が長期滞在や永住権を目指す場合、グローバル・インベスター・プログラム、いわゆるGIPが主なルートになります。
GIPでは、事業投資で約11億円以上、認定ファンド投資で約27億円以上、ファミリーオフィスでは約220億円規模の運用資産が目安とされます。単に資産があるだけでなく、事業経験や投資実績も問われます。
そのため、シンガポールは「資産数億円のリタイア層」よりも、「資産100億円規模のオーナー経営者」や「事業売却後にグローバルな資産管理をしたい創業者」に向いています。
医療水準や治安は高く、生活の安心感は抜群です。しかし、生活費や家賃はアジアでも最高水準です。中心部の1ベッドルームでも月40万〜50万円台、富裕層向けの住環境を求めると月100万円を超えることも珍しくありません。

