FMちゅーピー「円満相続安心くらぶ」(令和3年8月20日)」に出演しました。
毎月第3金曜日のこの時間は、「円満相続安心くらぶ」のコーナーです。
誰でもいつかは経験する「相続」に関し、愛する家族が争うことなく、円満に、そして相続後はさらに幸せになれるように、相続開始までの準備や相続に関する豆知識などについてご紹介します。
お話をお伺いするのは、円満相続支援士、税理士法人タカハシパートナーズの 寺尾 大介(てらお だいすけ)税理士です。
ラジオをお聞きの皆さん、こんにちは!税理士法人タカハシパートナーズの寺尾です。
寺尾さん、よろしくお願いします。
さて、今日は、どんなお話をしてくださいますか。
本日は、葬儀に関するお金の話をしてみたいと思います。
お葬式にかかるお金についてですね、よろしくお願いします。
はい。身内の人が亡くなった時、ほとんどの人が葬儀を行われると思います。
最近は、コロナの影響で遠方から親戚が集まれなかったりすることもあり、身内だけの葬儀が増えているとよく聞きます。
当所に申告依頼で来られた方の中にも、そういう方が多くいらっしゃいますし、中にはコロナが原因でお亡くなりになったこともあり、葬儀もしていない、という方もいらっしゃいました。
そうですよねぇ、非常事態宣言の時には県をまたいでの移動も制限されてましたもんね。コロナの影響がこんなところにも出てるんですね。
そうですね。オンライン葬儀ができたりと、葬儀のやり方もだいぶ変化をしているようです。
そんな葬儀に係る諸費用ですが、どのくらいかかるのか、まだコロナが蔓延する前の2017年に、日本消費者協会が、「葬儀についてのアンケート調査」というものを行っていて、その調査結果の報告書では、葬儀に関連する費用の全国平均が約195万円とされています。
200万円くらいかかるということですね。
そうですね。地域的な慣習などの違いもあるようですが、一般的に東日本の方が西日本よりも葬儀にかける金額は高い傾向にあるようです。
また、この195万円のうち、お寺さんへのお布施の全国平均は約47万円とのことです。
お寺へのお布施もいくらしたらいいのか分からないものですよね。
確かにそうなんですよね。しすぎてもどうかと思うし、少なくてもなんだか故人に申し訳ない気になりますもんね。
そうなんですよ。
そこで、今では多くの葬儀会社で、お通夜、本葬儀、初七日、49日、納骨と、それぞれのお布施、御車料、御膳料など、このくらいが相場ですよという一覧表を提供してくれていますので、それを参考にすることができます。
そういう目安があると助かりますね。
このお布施以外で、お寺さんへお渡しするものに、「戒名料」というものがありますが、これは宗派や格式などによって大きく違いがありますので、相場が不明瞭な世界です。
これも悩むところですね。
ここは素直に、菩提寺のお坊さんに訪ねてみるのもいいかもしれませんね。
お寺さんによっては、戒名料もお布施に含まれている場合もあります。
最近はお寺さんなしで葬儀されるケースも増えているそうですね。
そのようですね。
また、仏式以外で葬儀をされる方はこの戒名は必要ありません。
そして、お布施以外が葬儀一式に係る費用となりますので、約150万円が葬儀会社に支払う金額ということになります。
葬儀には、直葬と呼ばれる、通夜・告別式を行わない火葬のみの15万円程度のものから、家族や親族を中心に近しい縁故知人だけで行う家族葬、通夜は行わず、葬儀・告別式を1日だけで済ませる一日葬に、会社の創業者や会長、社長などの死に対して会社が執り行う社葬といった1千万円規模のものまで様々ありますが、葬儀会社によってサービス内容や料金体系が異なりますので、縁起でもないと思わずに、生前に会場の内見や見積もりをして、準備されておくのもいいのではないかと思います。
そう言えば、事前に葬儀会社に会員登録したりとか、下見ツアーがあったりとか、聞いたことがあります。
そうですね。
事前にゆっくり考えることによって、亡くなってすぐに決めないといけない場合に比べて、より本人の思いが反映した心のこもったお葬式ができるのではないかと思いますし、予算が分かっているので、資金調達も慌ててする必要もなくなるし、必要以上のオプションなどを頼んでしまって、支払いが高額になってしまうこともなくなると思います。
確かにそうですね。
ここで、少し余談になりますが、昨今は、葬儀費用を抑えるために、会葬者を呼ばない家族葬や、密葬、お寺への費用がかからない無宗教での葬儀を勧める記事を目にすることがありますが、会葬者を呼ばない場合、香典をいただかないので、かえって支出が増える場合もあります。
また、故人の交友関係が広い場合、後から訃報を知って自宅へ訪問する人が多く訪れて、家族がその対応に追われて大変、ということもあるようです。
そうですねぇ、誰しも最期のお別れ、お礼はしたいと思いますもんね。
また、故人の希望だからといって、ホントに質素な近親者だけの葬儀にしたとしても、親族への周知をしておかなければ不満がでることもあるようですので、その旨の連絡はしておいた方が良いと思います。
冠婚葬祭の不満は尾を引くと言いますもんね。
はい、また、無宗教の場合、仏式のように決まった回忌法要の形式がない代わりに、今後どのような節目で、どのような形で故人を偲べばよいのか悩む場面も出てきます。
安易に費用を抑えることだけを考えるのではなく、メリット・デメリットをよく踏まえて、それぞれのご家庭の最良の葬儀の形を選んでいただければと思います。
本日は葬儀に関するお金のことについてお話しいただきました。
寺尾さん、本日もありがとうございました。