納税猶予税額の納付
〇山林納税猶予税額を納付しなければならない場合
次に掲げる場合に該当することとなったときは、その山林納税猶予税額の全部または一部を納付しなければなりません。
(主な場合)
- 森林経営計画の認定が取り消された場合や、継続して認定を受けることができなかった場合
(例)
イ「山林経営の規模拡大に関する目標」や「作業路網の整備に関する一定の水準」を達成できなかった場合
ロ 特例山林の面積の合計が100haを下回ることとなった場合
ハ 他の山林の所有者からの経営の委託(森林経営計画が所在する林班内の山林についての委託に限ります。)の申出を拒んだ場合 など - 特定森林経営計画が定められている区域内に存する山林について伐採、造林または作業路網の整備のいずれも行わない年があった場合
- 特例山林について、譲渡等または路網未整備等があった場合
- 特例山林に係る山林の経営を廃止した場合
- 所得税法第32条第1項に規定する山林所得に係る収入金額が零となった場合
- この特例の適用を受けることをやめる旨を記載した届出書を提出した場合
- 継続届出書の提出がなかった場合
「譲渡等」とは、譲渡、贈与もしくは転用のほか、地上権、永小作権、使用貸借による権利もしくは賃借権の設定をいい、路網未整備等とは、作業路網の一部の整備が適正に行われていない場合または一体的かつ効率的な経営に適さなくなった山林となった場合として一定の場合をいいます。
〇納付すべき税額に係る利子税
納付すべき税額を上記の「山林納税猶予税額を納付しなければならない場合」により納付する場合には、本税のほかに利子税の納付が必要となります。この場合の利子税は、相続税の申告期限の翌日から納税猶予の期限までの期間(日数)に応じ、原則として年3.6パーセントの割合で計算した利子税を納める必要があります。
ただし、各年の利子税特例基準割合が7.3パーセントに満たない場合は、以下のとおりとなります。
※0.1パーセント未満の端数は切り捨て、その割合が0.1パーセント未満の割合である場合は年0.1パーセント
「利子税特例基準割合」とは平均貸付割合(各年の前々年の9月から前年の8月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合をいいます)に、年0.5パーセントの割合を加算した割合をいいます。
納税猶予税額の免除
後継者が死亡した場合には、その死亡の日から同日以後6か月を経過する日までに、免除届出書および一定の書類を提出することにより、納税猶予税額の全部について納付が免除されます。
手続き
〇申告等の方法
- 申告の手続
この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書を期限内に提出するとともに山林納税猶予税額および利子税の額に見合う担保(特例山林でなくても差し支えありません。)を提供する必要があります。
なお、この特例は、租税特別措置法第69条の5第1項に規定する特定計画山林の特例の適用を受ける場合には適用することができません。 - 納税猶予期間中の手続
この特例の適用を受けている林業経営相続人は、山林納税猶予税額が免除されるまでまたは山林納税猶予税額の全部について納税の猶予が打ち切られるまでの間、原則として、施業整備期間にあっては当初認定起算日から1年ごとに、施業整備期間の末日の翌日から猶予中相続税額に相当する相続税の全部につき納税の猶予に係る期限が確定するまでの期間にあってはその末日の翌日から3年を経過するごとに、引き続いてこの特例の適用を受ける旨および特例山林の経営に関する事項を記載した届出書(この届出書を「継続届出書」といいます。)を提出しなければなりません。
なお、継続届出書の提出がない場合には、原則として、この特例の適用が打ち切られ、山林納税猶予税額と利子税を納付しなければなりません。
「施業整備期間」とは、当初認定起算日(「納税猶予を受けるための要件」の「被相続人の主な要件」)からその当初認定起算日以後10年を経過する日までの間にこの特例の適用に係る被相続人について相続が開始した場合における、その相続の開始の日の翌日からその10年を経過する日またはその相続に係る林業経営相続人の死亡の日のいずれか早い日までの期間をいいます。
「猶予中相続税額」とは、山林納税猶予税額から、既に確定した税額を除いた残額をいいます。
〇申告先等
所轄税務署