相続が発生した場合に、たとえ相続税がかからない場合であっても、相続人の間で財産をどう分けるかが決まらないために親族間で争いになる場合が多くなっています。
したがって、相続を円滑にすすめるためには、相続税負担の有無にかかわらず、遺産分割対策が重要となります。
遺産が「未分割」である場合
相続税の申告期限までに遺産が「未分割」である場合には、相続税の申告に際して「配偶者の税額軽減の特例」「小規模宅地の評価減の特例」の適用はありませんので注意が必要です。
ただし、相続税の申告期限までに「分割見込書」を提出していて、相続税の申告期限から3年以内に分割が決定した場合には、更正の請求により、納めすぎた税額の還付を受けることができます。
なお、相続税の申告期限までに遺産が未分割の場合は、法定相続分で分割したものとして各人の相続税額を計算して申告と納税をしておく必要があります。
この場合でも、小規模宅地の特例対象地については誰が取得するのか決まっているのであれば、決まった部分だけの遺産分割協議書を作成し、一部分割で特例を使って申告した方がよけいな納税を防ぐことができます。