相続税申告の知識

特定路線価の設定の申出

概要

相続税や贈与税の申告のために、路線価地域内において、路線価の設定されていない道路のみに接している土地等を評価する必要があるときには、税務署長に対して特定路線価の設定の申出をすることができます。

特定路線価は下記のすべての要件を満たした道路にのみ設定できます

  1. その年の路線価がすでに発表されていること(路線価が公開される毎年7月上旬以降しかできない)
  2. 相続税や贈与税の申告のためであること
  3. 評価する土地は路線価地域に存すること
  4. 評価する土地は路線価の設定されていない道路のみに接していること
  5. 特定路線価を設定したい道路は、対象地の専用道路でないこと
  6. 特定路線価を設定したい道路は、建物の建設が可能な道路であること

必要書類

  1. 特定路線価設定申出書
  2. 特定路線価により評価する土地等及び特定路線を設定する道路の所在地、状況等の明細書
  3. 特定路線価設定申出書の提出チェックシート
  4. 物件案内図(住宅地図の写し)、地形図(公図、実測図の写し)、写真
 

①~③の書類の様式は税務署に備え付けているほか、国税庁ホームぺージでも提供しています。

特定路線の設定の申出は、①~③の書類に必要事項を記載の上、必要書類④を添付して、納税地を所轄する税務署に提出します。

 

特定路線価の設定は、申出書が提出されてから回答が届くまで最短でも1か月程度かかりますお早めの提出をおすすめします。

 
 

この設定の申出により、税務署長が特定路線価を設定した場合には、この特定路線価を路線価とみなして、その道路のみに接している宅地を評価します。
なお例えば次の図のように特定路線価を設定した場合には、A、B、C及びD土地の価額は特定路線価により評価しなければなりませんが、E土地やF土地の価額の評価に当たっては、この特定路線価に基づく側方路線影響加算を行う必要はありません。

まとめ

今回は特定路線価の設定についてお話ししましたが、特定路線価は絶対に設定しないといけないというわけではありません。特定路線価を設定しない場合は旗竿地として不整形地補正を適用して評価します。特定路線価で評価するよりも、旗竿地評価の方が低く抑えられることもあります。
土地の評価については、相続税・贈与税を得意とする税理士へ相談されることをおすすめします。

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