ラジオ出演

「学費の援助や入学祝いなどの贈与税の取扱い」について

レディオモモ「まかせて相続」(令和2年11月19日)」に出演しました。

ラジオ出演内容

レディオモモ

お話しをお伺いするのは、相続のことならなんでもおまかせ。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの仲村(なかむら)要(かなめ)さんです。宜しくお願いします。
さて、今日はどんなお話しでしょうか。

仲村要

おはようございます。

仲村要

お客様からよくあるご相談で、
「孫に学費の援助や、入学祝いを贈ると贈与税がかかるの?」
と質問があります。

仲村要

今日は、「学費の援助や入学祝いなどの贈与税の取扱い」についてお話ししたいと思います。

レディオモモ

そもそも、学費の援助や入学祝いなどをもらったら贈与になるのでしょうか。

仲村要

無償で金品を取得したり、支払うべき債務を第三者に負担してもらうと、贈与となります。
贈与となるので、暦年課税であれば、1年間に合計110万円以上贈与を受けたら、贈与税が課税されます。

仲村要

ですが、贈与税を課税しない財産というものがあります。非課税財産です。
この非課税財産に該当すれば、贈与であっても贈与税は課税されません。

レディオモモ

それでは、学費の援助や入学祝いは非課税財産になるのでしようか。

仲村要

はい、基本、非課税扱いです。
ただ、気を付ける点がいくつかあります。

仲村要

先ず学費などの教育費ですが、

法律では、
扶養義務者相互間における生活費又は教育費の贈与で、
通常必要と認められるものについては非課税扱いとなります。

ここで言う扶養義務者とは、
・配偶者
・直系血族及び兄弟姉妹
・家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族
・三親等内の親族で生計を一にする者

です。

仲村要

孫に学費の援助する場合、おじいちゃん・おばあちゃんは直系血族ですから、扶養義務者にあたり、非課税扱いとなります。

しかし、従兄弟(いとこ)や親族でない他人は、ここで言う扶養義務者に該当しないので、贈与税が課税される場合があります。

レディオモモ

通常必要と認められるもの、とはどれくらいを言うのでしょうか。

仲村要

贈与を受けた方の需要と、贈与をした方の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産であれば、通常必要と認められるものとなります。

具体的に言うと、
生活費は、日常の衣食住に必要な費用以外に、治療費や養育費も含まれ、教育費は、学資・教材費・文具費・通学のための交通費を言い、義務教育に係る費用でなくても良いので、幼稚園、高校・大学、各種学校の費用も含まれます。

このような常識の範囲内の、生活費・教育費を援助するのであれば、通常必要と認められる程度と言っていいでしょう。

仲村要

気を付ける点は、
将来必要となる生活費・教育費を数年分一括でもらったり、もらった金銭で株式や家屋を取得すると贈与税が課税されるので注意してください。
その都度都度の贈与でないとダメということです。
ただ、教育、結婚子育て資金は、一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度がありますから、各制度の要件を満たせば一括贈与も可能です。

レディオモモ

入学祝いなどのお祝いは、どのようなことに気を付けたら良いでしょうか。

仲村要

個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物(いわいもの)又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上必要なもので、贈与した方と贈与を受けた方との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しない取扱いとなっています。

仲村要

なので、社会一般に通用している常識の範囲内の入学祝いは非課税扱いと考えて良いでしょう。
ただ、名目が入学祝いでも、極端に高額なもの、双方の関係性が社交上必要なものでないと判断されるものについては、贈与税が課税される場合があります。
注意する点は、社会一般の常識の範囲内というところでしょう。

レディオモモ

ちなみに、結婚した時に、親から、家具・家電製品などの贈与やその購入費用をもらった場合や、親に、結婚式や披露宴の費用を負担してもらった場合は、贈与税が課税されますか。

仲村要

結婚に際しての贈与も、先ほどお話しした、扶養義務者相互間における生活費又は教育費の贈与が非課税となる取扱いといっしょです。
その都度の扶養義務者からの贈与であれば、贈与税は課税されません。

仲村要

それから結婚祝いは、入学祝いと同じで、社交上必要な範囲内であれば、贈与税は課税されません。

仲村要

扶養義務者からの「生活費」「教育費」の贈与と、社交上必要と認められる贈与は、その都度の、社会一般に通用している常識の範囲内であれば非課税になる、という見方で整理すれば、分かりやすいと思います。

仲村要

非課税ということは、申告は不要です。
ただ、繰り返しになりますが、教育、結婚子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度を利用する場合は申告などの手続きが必要です。

悩まれたら、事前に税理士などの専門家に相談されることをお勧めします。

レディオモモ

今日は、税理士法人タカハシパートナーズ岡山オフィスの 仲村(なかむら)要(かなめ) さんにお越しいただきました。ありがとうございました。

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