超入門 初心者にもわかる相続

3.相続税額の計算方法 

相続税計算

相続税の計算は、4つの段階に分けて行います。

第1段階 (課税価格の計算)

相続または遺贈により取得する財産やみなし相続財産など、相続税の課税対象とされるすべての財産の課税価格を計算します。

課税価格 相続財産 + みなし相続財産 非課税財産 債務 + 贈与財産
  • 相続財産……………土地、家屋、預貯金、有価証券など、相続等により取得した一切の財産
  • みなし相続財産……死亡保険金、死亡退職金、保険契約の権利、定期金の権利など
  • 非課税財産…………墓所、仏壇仏具、死亡保険金・死亡退職金のうち一定金額など
  • 債務…………………借入金、未払金、葬式費用など
  • 贈与財産……………財産を取得した者が相続開始前3年以内に受けた暦年贈与財産、相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産

第2段階 (相続税の総額の計算)

課税価格の合計額から、遺産に係る基礎控除額を控除した課税遺産総額を基に相続税の総額を計算します。

課税される遺産総額 課税価格 基礎控除額

【基礎控除額】3,000万円+600万円×法定相続人数

課税される遺産総額 × 各人法定相続分 × 税率 控除額 = 各人相続税額 合計⇒ 相続税の総額
法定相続分による取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

第3段階 (各人の算出税額の計算)

相続税の総額を各人が取得した財産の割合で按分し、各人の算出税額を計算します。

各人の算出税額 相続税の総額 × 各人の課税価格各人の課税価格の合計

第4段階 (各人の納付税額の計算)

各人の算出税額から各人に応じた各種税額控除を適用し、各人の納付税額を計算します。

各人の納付税額 各人の算出税額 + 2割加算 税額控除

2割加算の対象者……配偶者、一親等の血族以外の者、孫養子(代襲相続人は除く)

税額控除……………以下のような税額控除があります

  1. 暦年贈与の贈与税額控除(3年以内の贈与財産に対する贈与税の控除)
  2. 配偶者に対する相続税の軽減特例
  3. 未成年者控除(令和4年4月1日以降は18才未満)※法定相続人に限る
  4. 障害者控除(85才未満)※法定相続人に限る
  5. 相次相続控除(10年以内に2回以上相続があり、納税している場合)
  6. 外国税額控除(国外財産を相続し、課税された場合)
  7. 相続時精算課税の贈与税額控除

こちらの各種控除に関する詳しい内容は、次回の「相続税の各種税額控除」で詳しく解説します。

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