相続税が課税される目的について、一般的には次の2つが挙げられます。
第一に、人の死亡を契機として、ある特定の人に集中した財産を社会に再配分してもらうというものです。
第二に、人が一生のうちに納めるべきだった所得税を清算しようというものです。
人は収入に応じて所得税が課税されますが、そこには課税が漏れていたものもあるかもしれませんので、それを死亡した際に精算してもらうというものです。
相続税の概要
申告納付する人 | 相続または遺贈により財産を取得した個人 | |
申告する場所 | 被相続人の住所地の管轄税務署 | |
申告期限 | 相続開始のあったことを知った日の翌日から10カ月以内 | |
納期限 | 申告期限と同じ(延納・物納制度あり) | |
罰則 | 無申告加算税 | 相続税の15%~20%を加算 自主的に申告した場合は5% |
重加算税 | 相続税の35%または40%を加算 もっとも悪質な場合10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金 |
原則として相続税を申告する前までに財産を分割します。
未分割の場合は、次の問題点などにより自己資金で納税資金を準備しなければならなかったり、税負担が重くなったりします。
未分割の場合の主な問題点
- 一定金額以上の預金が引き出せない(預貯金の仮払い制度あり)
- 相続した土地が売却できない
- 相続財産を延納の担保に供せない
- 相続財産を物納できない
- 配偶者の税額軽減の特例が使えない
- 小規模宅地等の評価減の特例が使えない
これらを考えると、申告期限までに分割を終わらせることが得策といえます。