相続の知識

土砂災害特別警戒区域内にある宅地の評価等について、 財産評価基本通達の一部改正がありました

平成31年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用されます。
新設された通達は次のとおりです。

財産評価基本通達20-6

土砂災害特別警戒区域内(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策 の推進に関する法律(平成 12 年法律第 57 号)第9条((土砂災害特別警戒区域)) 第1項に規定する土砂災害特別警戒区域の区域内をいう。以下同じ。)となる部分 を有する宅地の価額は、その宅地のうちの土砂災害特別警戒区域内となる部分が 土砂災害特別警戒区域内となる部分でないものとした場合の価額に、その宅地の 総地積に対する土砂災害特別警戒区域内となる部分の地積の割合に応じて付表9「特別警戒区域補正率表」に定める補正率を乗じて計算した価額によって評価する。

付表9「特別警戒区域補正率表」


特別警戒区域の地積
総地積
補正率
0.10以上 0.90
0.40以上 0.80
0.70以上 0.70

(注) がけ地補正率の適用がある場合においては、この表により求めた補正率にがけ地補正率を乗じて得た数値を特別警戒区域補正率とする。ただし、その最小値は0.50とする。

「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」とは

土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律

第9条第1項(抜粋)

都道府県知事は、基本指針に基づき、警戒区域のうち(第7条の「土砂災害警戒区域」のことです)、急傾斜地の崩壊等が発生した場合には建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、一定の開発行為の制限及び居室(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第四号に規定する居室をいう。以下同じ。)を有する建築物の構造の規制をすべき土地の区域として政令で定める基準に該当するものを、土砂災害特別警戒区域(以下「特別警戒区域」という。)として指定することができる。

土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域という2種類の区域を指定しています

土砂災害警戒区域(通称「イエローゾーン」)

住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域であり、危険の周知、警戒避難体制の整備が行われます。

  • 市町村地域防災計画への記載
  • 警戒避難体制の整備を行う(市町村の義務)
  • 土砂災害ハザードマップによる周知の徹底
  • 宅地建物取引における措置(重要事項説明)

土砂災害特別警戒区域(通称「レッドゾーン」)

住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域で、特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制等が行われます。

  • 特定開発行為に対する許可制(住宅分譲、学校、医療施設)
  • 建築物の構造の規制(建築基準法)
  • 構築物の移転等の勧告・支援措置(融資、補助、税制)
  • 宅地建物取引における措置(開発行為の許可、重要事項説明)

関連記事

LINE 友だち追加
LINE
相続の知識

最近の記事

  1. 生活費と贈与税

  2. 遺言書のことAIに聞いてみた!

  3. 凍結された口座の解約のことAIに聞いてみた!

月間アーカイブ