相続の知識

利付公社債・割引発行の公社債の評価

概要

公社債とは、国や地方公共団体、事業会社などが一般投資家から資金を調達するために発行する有価証券です。公社債は、銘柄ごとに、公社債の評価上の区分に従い、券面額100円当たりの単位で評価することになっています。

利付公社債の評価

利付公社債とは、定期的に利子が支払われる債券で、利払いは年間の一定期日に、その債券に付された利札(クーポン)を切り取って行われます。利付公社債は、次の(1)から(3)の区分に従い、評価します。

(1)金融商品取引所に上場されている利付公社債

\[評価額=(課税時期の最終価格+源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額)\times\frac{券面額}{100円}\]

  • 上記算式中の「最終価格」および「源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額」は、券面額100円当たりの金額です。
  • 上記算式中の「最終価格」は、日本証券業協会において売買参考統計値が公表される銘柄として選定された利付公社債である場合には、金融商品取引所が公表する「最終価格」と日本証券業協会が公表する「平均値」とのいずれか低いほうの金額となります。
  • 上記算式中の「源泉所得税相当額」には、特別徴収されるべき道府県民税相当額および復興特別所得税の額に相当する金額を含みます(以下、(2)および(3)も同様です)。

(2)日本証券業協会において売買参考統計値が公表される銘柄として選定された利付公社債(上場されているものを除く。)

\[評価額=(課税時期の平均値+源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額)\times\frac{券面額}{100円}\]

  • 上記算式中の「平均値」および「源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額」は、券面額100円当たりの金額です。

(3)その他の利付公社債

\[評価額=(発行価額+源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額)\times\frac{券面額}{100円}\]

  • 上記算式中の「発行価額」および「源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額」は、券面額100円当たりの金額です。

個人向け国債の評価

課税時期(相続または遺贈の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)において中途換金した場合に取扱機関から支払いを受けることができる価額により評価します。

割引発行の公社債

割引発行の公社債とは、券面額を下回る価額で発行される債券です。券面額と発行価額との差額(償還差益)が利子に相当する部分に当たります。割引発行の公社債は、次の(1)から(3)の区分に従い、評価します。

(1)金融商品取引所に上場されている割引発行の公社債

\[評価額=課税時期の最終価格\times\frac{券面額}{100円}\]

  • 上記算式中の「最終価格」は、券面額100円当たりの金額です。
  • 上記算式中の「最終価格」は、日本証券業協会において売買参考統計値が公表される銘柄として選定されたものである場合には、金融商品取引所が公表する「最終価格」と日本証券業協会が公表する「平均値」とのいずれか低いほうの金額となります。
  • 課税時期において割引発行の公社債の差益金額に係る「源泉所得税相当額」がある場合には、その金額を控除します。また、「源泉所得税相当額」には、特別徴収されるべき道府県民税相当額および復興特別所得税の額に相当する金額を含みます(以下、(2)および(3)も同様です)。

(2)日本証券業協会において売買参考統計値が公表される銘柄として選定された割引発行の公社債(上記(1)および割引金融債を除く。)

\[評価額=課税時期の平均値\times\frac{券面額}{100円}\]

  • 上記算式中の「平均値」は、券面額100円当たりの金額です。

(3)その他の割引発行の公社債

\[評価額={発行価額+(券面額-発行価額)\times\frac{発行日から課税時期までの日数}{発行日から償還期限までの日数}}\times\frac{券面額}{100円}\]

  • 上記算式中の「発行価額」は、券面額100円当たりの金額です。

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