相続の知識

相続税の物納②

物納劣後財産

次に掲げるような財産(物納劣後財産)は、他に物納に充てるべき適当な財産がない場合に限り、物納に充てることができます。

  1. 地上権、永小作権もしくは耕作を目的とする賃借権、地役権または入会権が設定されている土地
  2. 法令の規定に違反して建築された建物およびその敷地
  3. 土地区画整理法による土地区画整理事業等の施行に係る土地につき仮換地または一時利用地の指定がされていない土地
    ※その指定後において使用または収益をすることができない土地を含みます。
  4. 現に納税義務者の居住の用または事業の用に供されている建物およびその敷地
    ※納税義務者がその建物および敷地について物納の許可を申請する場合を除きます。
  5. 配偶者居住権の目的となっている建物およびその敷地
  6. 劇場、工場、浴場その他の維持または管理に特殊技能を要する建物およびこれらの敷地
  7. 建築基準法第43条第1項(敷地等と道路との関係)に規定する道路に2メートル以上接していない土地
  8. 都市計画法の規定による都道府県知事の許可を受けなければならない開発行為をする場合において、その開発行為が開発許可の基準に適合しないときにおけるその開発行為に係る土地
  9. 都市計画法に規定する市街化区域以外の区域にある土地
    ※宅地として造成することができるものを除きます。
  10. 農業振興地域の整備に関する法律の農業振興地域整備計画において農用地区域として定められた区域内の土地
  11. 森林法の規定により保安林として指定された区域内の土地
  12. 法令の規定により建物の建築をすることができない土地
    ※建物の建築をすることができる面積が著しく狭くなる土地を含みます。
  13. 過去に生じた事件または事故その他の事情により、正常な取引が行われないおそれがある不動産およびこれに隣接する不動産
  14. 事業の休止(一時的な休止を除きます。)をしている法人に係る株式に係る株券

物納手続関係書類の提出期限

納期限または納付すべき日(物納申請期限)までに物納申請書に物納手続関係書類を添付して提出する必要があります。ただし、物納申請期限までに物納手続関係書類を提出することができない場合は、物納手続関係書類提出期限延長届出書を提出することにより、1回につき3か月を限度として、最長で1年まで物納手続関係書類の提出期限を延長することができます。

物納の許可までの審査期間

物納申請書が提出された場合、税務署長は、その物納申請に係る要件の調査結果に基づいて、物納申請期限から3か月以内に許可または却下を行います。
なお、申請財産の状況によっては、許可または却下までの期間を最長で9か月まで延長する場合があります。

物納財産の価額(収納価額)

物納財産を国が収納するときの価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額になります。
なお、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた相続財産を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額となります。

物納の再申請

物納申請した財産が管理処分不適格と判断された場合には、物納申請が却下されますが、その却下された財産に代えて、他の財産による物納の再申請を1回に限り行うことができます。
なお、延納により金銭で納付することを困難とする事由がないことを理由として物納申請の却下があった場合には、物納が却下された相続税額について延納の申請をすることができます。

条件付許可

汚染物質除去の履行義務などの条件を付されて物納の許可を受けた後に、許可財産に土壌汚染などの瑕疵があることが判明した場合には、汚染の除去などの措置を求められることとなります。
なお、物納許可後5年以内に上記の措置を求められ、その措置ができない場合には、物納許可が取り消されることがありますのでご注意ください。

利子税の納付

物納申請が行われた場合には、物納の許可による納付があったものとされた日までの期間のうち、申請者において必要書類の訂正等または物納申請財産の収納に当たっての措置を行う期間について、利子税がかかります。また、物納申請が却下された場合や物納申請を取り下げたものとみなされた場合は、納期限または納付すべき日の翌日から、その却下の日またはみなす取下げの日までの期間について、利子税がかかります。
なお、自ら物納申請を取り下げた場合は、納期限または納付すべき日の翌日から延滞税がかかることになります。

特定物納制度(延納から物納への変更)

延納の許可を受けた相続税額について、その後に延納条件を履行することが困難となった場合には、申告期限から10年以内に限り、分納期限が未到来の税額部分について、延納から物納への変更を行うこと(特定物納)ができます。
特定物納申請をした場合には、物納財産を納付するまでの期間に応じ、当初の延納条件による利子税を納付することとなります。
なお、特定物納に係る財産の収納価額は、特定物納申請の時の価額となります。

上記については、平成18年4月1日以後の相続開始により財産を取得した場合に適用されます。

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