相続の知識

相続Q&A

配偶者居住権について教えて下さい。

配偶者居住権は残された配偶者が暮らしていけるようにするための制度です。

配偶者居住権とは何なのでしょうか

配偶者居住権とは、被相続人が亡くなる前から一緒に暮らしていた配偶者が、引き続き暮らしていた自宅に住み続けることを主張することができる権利です。この権利を行使するには、3つの条件があります。

  • 配偶者が法的な配偶者である
    内縁の関係や事実婚の配偶者では配偶者居住権を主張することができません。あくまで被相続人の「法的な」配偶者であることが条件です。
  • 相続する時点でその建物に居住していたこと
    もともと別居関係で、被相続人が亡くなった際に移ったという場合には認められません。
  • 賃料が発生していないこと
    被相続人に対して配偶者が賃料を支払って住んでいた場合には認められません。

配偶者短期居住権と配偶者長期居住権

配偶者居住権には2つの居住権に分けることができます。まず1つ目は「配偶者短期居住権」というものです。これは遺産分割に関する話し合いが終了するまで被相続人の家に住むことができる権利です。
2つ目が「配偶者長期居住権」というものです。一般的な配偶者居住権を指す内容がこの配偶者長期居住権のことです。建物の「居住権」と「所有権」を分けて考えることができるようになり、配偶者は居住権を持つことで所有権がなくてもその建物に住み続けることができるようになりました。
そして配偶者居住権は配偶者が亡くなるまで消滅することがないため、所有権が他人に移っても配偶者居住権を登記していれば追い出されることはなく、家賃が発生することはありません。

配偶者居住権の注意点

配偶者居住権で気を付けるべき点は以下の4点です。

(1)登記が必要

配偶者居住権を正当に主張するには法務局で登記をする必要があります。配偶者居住権は登記事項で、建物に対して配偶者居住権を設定します。

(2)建物が共有不動産である場合

被相続人が建物を第三者と共有していた不動産である場合には、配偶者居住権として設定することはできません。その場合には有償の賃貸借契約か無償の使用貸借となるため、ずっと住み続けることができる保証はありません。

(3)建物に手を加える、売却する場合

配偶者居住権はあくまでもその建物に住むことができるというもので、建物自体の所有権はないので、売却や建物に手を加えることができません。

(4)所有者が変わる場合

配偶者は建物を自由に売買できない一方で、所有権を持っている所有者は配偶者居住権付きの不動産として売却・譲渡することが可能です。
なので、配偶者が全く知らない第三者が所有権を得るケースも存在します。新所有者に対して配偶者居住権を主張することができないため、立ち退きを要求されることがあります。

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