取引相場のない株式とは、上場株式、気配相場等のある株式以外の株式で、非上場会社の株式などがこれにあたります。
取引相場のない株式は、上場会社のように市場価格によって評価することができないので、次のような評価方式により評価します。
取引相場のない株式の評価方式
純資産価額方式
評価する会社の貸借対照表などから純資産価額を算出し計算する方式で、会社規模の小さい小会社の評価に使われるほか、選択によりすべての会社で採用することのできる評価方式です。
類似業種比準方式
評価する会社と同業種の上場会社の①配当金額、②利益金額、③純資産価額を比較し計算する方式で、会社規模の大きい大会社の評価に使われます。
類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式
大会社と小会社の間の中規模な中会社の評価に使われる方式で、会社の規模に応じて併用する割合が変わります。
配当還元方式
評価する会社の配当額から計算する方式で、会社規模に関係なく、株式所有者が同族株主以外の株主であれば、会社の経営権や支配権が存在せず、配当期待権利のみが存在すると考えられるので、その配当に着目した評価方式です。
取引相場のない株式を、上記のうちどの方式で評価するべきかは、取得する株主、会社の規模、会社の状態などによって異なります。