超入門 初心者にもわかる相続

8.配偶者居住権の評価

配偶者居住権とは、相続開始時に被相続人の所有していた建物に居住していた配偶者が、その建物の所有権が他の相続人等に渡った場合でも、終身または一定の期間、無償でその建物に居住を継続できる権利のことです。

配偶者居住権は、

  1. 遺産分割協議
  2. 遺贈(死因贈与を含む)
  3. 家庭裁判所の審判

のいずれかにより取得することができます。

配偶者居住権(敷地利用権)及び所有権の評価

配偶者居住権設定の対象となる建物とその敷地である土地について、建物は「配偶者居住権部分」と「所有権部分」に、土地は「敷地利用権部分」と「所有権部分」に、それぞれ分けて評価を行います。

配偶者居住権と敷地利用権の評価は、通常の建物と土地の相続税における評価方法をもとに、配偶者の年齢等を考慮して算出します。

「小規模宅地等の評価減の特例」との関係

配偶者が取得した敷地利用権は、小規模宅地等の評価減の特例を適用できます。
「敷地所有権」については、土地そのものであることから従来と何も変わりませんので、取得者が要件を満たすことにより、同様に適用することができます。

もっとも適用面積については、双方の重複を避けるため、「敷地利用権」と「敷地所有権」の価額の比で按分することとなります。

配偶者死亡時の取り扱い

配偶者居住権を取得した配偶者が死亡(二次相続発生)した場合、その配偶者居住権は消滅します。この場合、消滅した配偶者居住権については配偶者の相続財産とはならず、相続税は課税されません

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